こんにちは、荘園内科クリニックです。
「胃の調子が悪いな」「健康診断で精密検査を勧められた」など、胃カメラ検査を受けることになった時、「前日の食事ってどうしたらいいの?」と疑問に思う方も少なくないでしょう。
胃カメラ検査は、食道や胃、十二指腸の粘膜を直接観察することで、胃がんや食道炎、潰瘍といった様々な病気の早期発見に繋がる非常に大切な検査です。しかし、この検査の精度を最大限に高めるためには、前日の食事がカギを握ります。
今回は、胃カメラ検査を安心して、そしてスムーズに受けていただくために、前日の食事で特に気をつけていただきたいポイントを詳しくお話しします。
なぜ前日の食事がそんなに大切なの?
胃カメラ検査では、胃の中を隅々までクリアに見ることが重要です。胃の中に食べ物が残っていると、せっかくの検査でも小さな病変が見えにくくなったり、見落としの原因になったりする可能性があります。
具体的には、こんなことが起こりえます。
- 病変を見逃すリスク: 食べ物のカスが粘膜を覆い隠してしまい、ポリープやがんなどの重要な病変を発見しにくくなります。
- 検査時間が長くなる: 胃の中に消化されていない食べ物があると、それを除去するのに時間がかかり、検査自体が長引いてしまいます。
- 吐き気や嘔吐のリスク: 胃に内容物が残っていると、検査中に吐き気をもよおしたり、最悪の場合、嘔吐してしまったりする可能性も高まります。
正確で安全な検査のために、前日の食事はとても大切なんです。
胃カメラ検査前日の食事:OKなもの・NGなものリスト
では、具体的に何を食べたら良くて、何を避けるべきか見ていきましょう。
検査前日の昼食まで
昼食までは、基本的に普段通りで大丈夫です。ただし、脂っこいものや、食物繊維が多いものは控えめにすることをおすすめします。消化に時間がかかるものは避けておくと、夕食の負担も減りますよ。
検査前日の夕食
夕食は、遅くとも検査前日の21時までに済ませるようにしてください。そして、何よりも**「消化の良いもの」**を選ぶことが大切です。
【OKなもの】
消化の良い炭水化物や、脂質の少ないタンパク質がおすすめです。
- 白米、おかゆ、うどん(具なし): 胃に負担がかかりにくい主食です。
- 食パン(具なし・バターやジャムは少量): サラダ油やバターを大量に使ったものは避けましょう。
- 鶏むね肉(皮なし)、白身魚: 脂身が少なく、消化しやすいタンパク源です。
- 豆腐、卵: 胃に優しい優れたタンパク質です。
- 具のない透明なスープ: コンソメスープなどが良いでしょう。
【NGなもの】
これらは消化に時間がかかったり、胃に刺激を与えたりするので、絶対に避けましょう。
- 肉類(脂身の多いもの、揚げ物): 消化に非常に時間がかかります。
- 野菜、きのこ類、海藻類: 食物繊維が豊富で胃に残りやすいです。
- こんにゃく: 消化されにくい食材です。
- 乳製品(牛乳、ヨーグルトなど): 胃の中で固まりやすく、残存しやすいことがあります。
- アルコール類: 胃に負担をかけ、検査に影響を及ぼす可能性があるため、必ず控えましょう。
- 香辛料、刺激物: 胃粘膜に刺激を与えるため、避けてください。
- ラーメン、そば、中華麺: 油分が多く、消化に時間がかかります。
- ナッツ類、豆類: 消化しにくく、胃に残存しやすいです。
検査当日の朝
検査当日の朝は、完全に絶食です。
水や透明なお茶(麦茶、ほうじ茶など色の濃くないもの)は、検査直前まで飲んでも大丈夫です。ただし、牛乳やジュース、コーヒー、色のついた清涼飲料水などは避けてください。
まとめ:検査前日の食事は「消化の良いものを21時までに」
胃カメラ検査前日の食事は、検査の精度と患者さんの負担軽減に直結します。
- 夕食は検査前日の21時までに済ませる。
- 「消化の良いもの」を選び、脂っこいものや食物繊維の多いものは避ける。
- アルコールは絶対に飲まない。
- 検査当日は水・お茶以外は絶食。
これらのポイントを守っていただくことで、より正確でスムーズな検査が可能になります。
ご自身の胃の健康を守るためにも、定期的な検査は非常に大切です。ご予約やご相談は、お気軽にお電話、または当院のホームページからお問い合わせください。